論文提出


今日は、芝の研究所で、林淳先生の近代仏教に関する御講演「近世仏教から近代仏教へ」をうかがった。
ためになったのはもちろんだが、近代仏教も過渡期というか、なにが近代仏教研究の醍醐味なのかということを意識して行かないといけないと考えさせられた。
近代における仏教は、国家から切り離されたと表面ではみえるが、実は国家がやれなかった/やらなかった周辺的な事業を担っていたのではないか、ということをご提言されていた。
こう書くと、まるでゴルゴ13みたいな役回りだなと思うが、まぁそうだ。そういうあまり利益が得られないようなことをやっていたのだ。
それは植民地の宣教であったり、社会福祉活動であったり、貧民救済であったり、教誨であったりなどなど。
これらは、今なら当然と思うことかもしれないが、そこは林先生の専門分野である近世の宗教界と比較すると、そうでもないことがわかる。
近世の仏教は、近代のそれとは対照的に、国家権力(幕府)の支配を受けていたのである(今回出てきたのは、僧侶はこうあるべきですよという僧侶規程から、宗派を超えて対立してはいけないですよという没対外交流について)。
近代は国家の支配から(法制上は)抜け出すことによって、一方で国家の周辺事業を担っていくのであった…、という刺激的なご講演だった。


かくいう自分も今日、ようやく日本近代仏教史研究会の雑誌『近代仏教』に投稿する論文を書き上げ、提出した。
査読によって要修正が入ったところを直すだけの作業であったが、これがなかなかしんどい。
なんでかというと、自分の文章を見直すのが本当につらいのだ。
論理構造の不備とか、言い回しがおかしかったりとか、つい最近の自分なのに恥ずかしくなる。
とか書いている自分も、未来の自分に笑われるんだろうな。
そんなこんなでとりあえず一段落。

2月は研究会発表2つ論文1つ、あとは調査にバイトとかあって大変。
とか思ったけど、思い返すと長期休業中の院生としては実に普通だな。